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Create Liberty

by inja369

夢を叶えるための自己改造プログラム④ ~「現状維持機能」の抵抗を知る~

メンタル

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前回の記事では、自我を書き換えるために高いゴールを設定すること、困難があっても絶対にその定義を諦めないことを説いた。

「諦めるな」と言ったが、実際には一筋縄ではいかない。世の中には「自分を変えたい」と思っている人は多くいる。しかしながら、それでも世の中には変わることができないで悩んでいる人も多い。

書店に行けば「自分を変える方法」を唄った自己啓発書が並ぶ光景を目にする。有名人や成功者のありがたい言葉や考え方を読んで、「よし!自分もやるぞ!」と意気込む人は多いだろう。しかし、それでも悩める人が減らないから、自己啓発は売れるビジネスであり続けているのだ。これはなぜか?

「現状維持機能=ホメオスタシス」の存在を知る

「根性がないから」「やる気がないから」「度胸がないから」と自分を卑下してしまう人もいるかもしれない。「やっぱり現実を見たほうがいいな」「無難に生きるのが一番いいな」と思い、現状に留まる選択をする人もいるかもしれない。それはそうかもしれない。

しかし、「なぜ、そう思ってしまうのか?」「何が自分にそう思わせているのか?」という根本的なことまで考えたことがあるだろうか?

これには、人間、ひいては生命に備わっている本能ともいうべき能力が関係している。それは「現状維持機能」すなわち「ホメオスタシス」だ。

ホメオスタシスとは、生命が地球上で生き延びるために獲得した能力で、その名の通り現状を維持し、安全な環境に留まろうとする本能である。

ホメオスタシスの働き

ホメオスタシスは例えば、体温の調整や、呼吸の維持に働いている。暑い環境に入ったときには、体温が異常に上がるのを阻止するため、つまり体温の安全な領域を維持するために、汗を流すという働きをする。呼吸も、続けなければ窒息死してしまう。

ホメオスタシスはこのように、基本的には自分を守るために働いてくれるありがたい機能なのだが、それゆえに、自分を変えようとすると激しく反発するのである。

例えば、新しい分野に飛び込んだり、今まで触れることのなかった技術を習得しようと思ったとき、「怖いな」「不安だな」「やっぱりやめておこうかな」と思うことがある。冷静に考えると実行したほうが明らかにいい結果が出ると理解できるにも関わらず、それを拒否してしまう。そんな不合理な判断をさせる根拠がホメオスタシスなのである。

ホメオスタシスは、新しい環境、未知の世界、リスクのある状況に踏み入れようとしたときに、こう働きかけてくる。「昨日まで生き延びられた環境を、なぜ飛び出すんだい?」「安全な場所にいたほうが楽だよ?」「心地よい場所に留まろうよ」と。

ホメオスタシスの抵抗は強力

これが原因で、いくら自己啓発をしても、自分を変えることが困難になる。このホメオスタシスの抵抗は非常に強力で、前回までに紹介した「未来のビジョンによって自我を変える」方法を用いても、幾度となく、激しい抵抗をしてくる。

あるサラリーマンが、自分に対して「仕事のできない人間」という自己イメージを持っていたとする。だから、仕事のできる自分をイメージして、自己評価を一時的に書き換えたとする。しかし、非常に高い能力が要求される困難なミッションを課されたときには、ホメオスタシス機能が激しく働いて、自己イメージを「仕事ができない自分」に戻してしまったりするのである。その結果、お腹が痛くなったり、冷や汗が出たり、緊張したり、手足が震えたりする。

逆に、いつも仕事ができて有能で評価されている人の場合は、それがその人にとっての「現状」であるから、仮に失敗したとしてもホメオスタシスが働いて、自己イメージを「仕事ができる自分」に戻してくれる。

有能な状態を「現状」と自我に認識させるためには時間が必要である。だから、前回述べたように、多少の困難があっても高い自己イメージを諦めてはいけないのである。もし自我を書き換えることに成功したら、ホメオスタシスが勝手に自分を成功に導いてくれる

ホメオスタシスはこのように、邪魔者にもなる一方で味方にもなってくれるのだ。

生命を進化させたのは、意志の力

少し余談めいてしまうが、高いゴールの重要性を強調するために、生命の進化と紐づけてホメオスタシスを論じたいと思う。

ダーウィンの進化論は間違っていた?

現在の生命の歴史においては、ダーウィンの進化論が常識とされている。ダーウィンは、適者生存を説き、遺伝子がランダムに変化して様々な特性を持った生命が誕生し、その中から環境に適したものが生き残ったとした。つまり、「現状に適応した者が生き残った」というホメオスタシスを擁護するような理論なのである。

しかし、これには反論がある。遺伝子配列がランダムに進化したとしても、地球が誕生してから現在までの46億年という時間の中では、人類が誕生するどころか、魚類や植物が発生するにも時間が足りなすぎるというのである。つまり、生命の歴史を説明するためには、ランダム性以外の要素が必要だということだ。

これを解決する説が、生命は自らの意思で遺伝子を書き換える能力を持っている、というものである。海に住んでいた魚が「俺たちは陸に上がるんだ」と何世代にも渡って強く思い続けた結果、手足を生やし、陸上に進出していったというのである。

もし生命の全てが現状を維持しようと思うのならば、魚が安全な水中を捨てて陸に上がろうなどとは思いもしないはずである。それでも陸に上がったのは、魚がそう意志したからである。

人間にも「先駆者」が存在する

マーケティングの分野においては、人間は新しいものに積極的な層と、保守的な層に分類できるとされている。新しい画期的な商品が発売されたとき、とりあえず自分で使って試してみる層と、普及して評判を聞いてからやっと買う層がいるのだ。

「進化」についても同じことが言えるのではないだろうか。現在の人類でも、「より良い世界へ」「現状の外へ」と強く願い行動する人間と、「今のままが幸せだ」「ここに留まろう」と考える層が分かれているのは明らかである。

ひょっとすると、人類の進化の最先端にいる人々は、とんでもない世界を切り開こうとしているのかもしれない。彼らを突き動かしているのは、紛れもなく強い意志の力であろう。

突拍子もない話に聞こえるかもしれないが、生命や脳というのはひょっとすると、われわれの未だ知らない力を持っているのかもしれない。その力を引き出すことができれば、素晴らしい人生を送ることができるだろう。