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by inja369

【論文あり】たった1時間で鬱病が軽減する方法:MAPトレーニングとは

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瞑想はメンタルに良い効果がある。また、適度な運動も、身体だけでなく精神にも健康を与えてくれる。しかし、この両者を組み合わせるとさらに良い効果があるようだ。

2016年2月2日に、ラトガース大学からの論文にてMAPトレーニング(Mental and Psysical Training)というものが紹介されていた。30分間瞑想をした後、30分の運動(ウォーキングなど)をするだけで、鬱病患者の症状が平均で21%減ったのだ。

MAPトレーニングの効果

出典は以下の論文から。

www.nature.com

52名の学生(うち22名が鬱病の患者)を対象に実験がなされた。内容は、全員に8週間、30分の瞑想をした後に30分の有酸素運動を行ってもらうというもの。

その結果…

・鬱病の症状が21%軽減

・鬱病ではない学生も心配事が軽減

・「反芻思考」(不安や自分の欠点を何度も反芻して考えてしまうこと)が軽減

 

という効果が出た。

原理

鬱病の患者は脳の活動、特に前頭前野の活動が鈍くなっている。これは、脳内で分泌されている神経細胞の量が減っているからである。鬱病の原因は明確なものはわかっていないが、過度なストレスによる機能の減退、それに伴う神経細胞分泌の現象との説がある(神経可塑性仮説)。

神経細胞の多くは記憶や学習を司る部分「海馬」で作られている。瞑想や有酸素運動はこの海馬を活性化させてくれるので、神経細胞が作られる量を増やすことができるのである。海馬を活発にすることが重要なのである。

特に深い瞑想の状態に入った脳は、浅い睡眠のときに発するシータ波を出す。脳は浅い睡眠のときには記憶の整理をしているのだが、この時に記憶と学習を司る海馬は活発に活動する。瞑想はこの状態を人工的に作り出すことができるので、極めて有用である。

アイデアを出すときも瞑想が有効

昔から「考えは雪隠(せっちん)」と言う。雪隠とは便所のことであるが、人間は考えること以外のことに一人で静かに集中したりしていると、ふっとアイデアが降りてくる場合がある。中国の諺にも、インスピレーションは「馬の上」「風呂の中」「布団の中」で出ると言われている。

感情や次々と湧く状態、あるいは色々な考えを巡らせている状態は、前頭葉が活発に働いている状態である。この時前頭葉が海馬に指令を出し、記憶や情報を引っ張り出して思考の材料としているので、海馬は記憶の整理を行うことができない。便所に入ったり馬の上でボーっとしていたりすると前頭葉が大人しくなるので、海馬が情報の整理を始め、閃きがポッと出るのである。

アインシュタインは、考えを一通り巡らせた後にうつらうつらと「居眠り」をし、閃きを待ったのだそうだ。これも、海馬の情報整理を上手く利用した例と言える。瞑想を上手く利用すれば、ストレスを軽減して快適な日常が送れたり、仕事のいいアイデアが思い浮かんだりするかもしれない。