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by inja369

なぜ炎上はなくならないのか:「炎上商法」の具体的な方法とメリット・デメリットについて考えてみた

ブログ

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「炎上商法」とは、人が不快になるような言動・行動をわざとして悪目立ちし、自分に注目を集めたりブログなどのサイトにアクセスを集める方法のことである。一部のブロガーがこの方法を駆使することで、実際に利益を上げることに成功している。この方法を採用することに賛否両論あれども、成果を上げるためには有効な手段であることは否定できないだろう。

彼らの起こす炎上は、遊び感覚でコンビニの冷蔵庫に入り、写真をSNSにアップして非難されてしまうような、何も考えずに行動した結果のものとは異質のものだ。「炎上」がブログ戦略として有効であることを知っているから、計算してやっているのである。

彼らがなぜ「炎上」という手段を選ぶのか。「炎上」はなぜ有効なのか。そこにどんなリスクがあるのか。これらのことについて自分なりに整理して文章にしてみた。

前提:「人間は感情的な生き物」「SNSユーザーは若年層が多い」

gaiax-socialmedialab.jp

人間は基本的に感情的な生き物だが、年齢が若いと特にその傾向が強い。上の記事を読んで貰うとわかるが、Facebook や Twitter などのSNS利用者には、10代・20代の若年層が多い。彼らは多感な年ごろで、身の回りに起こる出来事にストレートに反応してしまいがちである。また、集団に同調したがる傾向も強いので、周りの人が反応したものに合わせて反応しようとする。彼らのそうした性質を利用すれば、SNS上で情報を瞬く間に拡散させることができる。

炎上を起こす方法

方法1:コンプレックスを突く話題を選ぶ

matome.naver.jp

ネット広告には、「年収」や「健康」「婚活」「美容」「頭髪」さらには「男性器のサイズ」に至るまで、人のコンプレックスを突き、思わずドキッとさせるようなものがある。頭で考える前に感情に訴えられてしまうと、多くの人はどうしても気になってしまうもの。お行儀よく理性的に宣伝するよりも圧倒的に注目を得ることができる。「炎上」もこれと同様に、人のコンプレックスを突くと有効だ。

アフィリエイト広告においても、投資やFX、化粧品や出会い系のものは収益が上がると言われているが、これも同様の理由からである。

方法2:多数派を狙う

www.aitabata.com

上記記事は、想定する読者を「日本人男性」としている。日本語でブログを書いている場合、ほとんどの読者は日本人だろう。読者のうち、「日本人」という属性を持っている人は圧倒的多数派と言える。ビジネス的に考えれば、この話題は「大きな市場」を抱えていると言える。バズを狙うにあたり、「この話題にはどれだけの人が関心を持ってくれるだろうか」と考えることは非常に重要と言える。

また、「恋愛」という、非常に感情的になりやすい話題に関して触れている。「恋愛」というのは概ね全人格的な交流であるから、この手の話題はナイーブで、意見が別れやすい。ゆえに、日常会話であれば各々の好みのタイプを言い合って「いいよね~」「わかるよ~」と、互いを尊重し合って終わる話題なのだが、この記事はあえて過激な意見を提示している。この記事のブコメを見てみるとわかるが、批判意見に加えて、Ai氏に対する誹謗中傷まで書かれている。それだけ人々の「恋愛」に対する関心は高いということだ。

また、日本の男性陣にとっては屈辱的な記事ではないだろうか。「日本人男性」というアイデンティティを否定されてしまえば、怒りたくなるのも当然だ。しかし、日本人というものは、(特に西洋の)外国人に対して、どこか「コンプレックス」を抱いているものだ。外国人著者の書いたビジネス書などは、日本人著者の本よりもなんとなくすごそうなことが書いてありそうだと思ってしまうのではないだろうか。Ai氏がそうしたことを考えていたかどうかはわからないが、そうしたコンプレックスを突くことに成功しているのではないだろうか。

まだ東京で消耗してるの?

イケダハヤト氏の「まだ東京で消耗してるの?」というブログタイトルも、サラリーマンという社会的多数派をターゲットにすることを意識しているはずだ。バズる記事を書くにあたって「多くの人が関心を持つこと」を意識するのが重要なのである。

方法3:余所で自己主張させる

否定的で過激な意見を目にすると、それに反論したいという心理が働く。しかし、意見の主張者に対して直接物申したいという人よりは、自分の周りの人たちに自己主張したいと思う人のほうが多いはずだ。これが、SNSに情報を拡散させる原動力になる。

自分と相容れない意見に触れたときは、自分の意見を述べる絶好の機会である。何も無い時にやたらと自己主張すればただの「自分語りが激しい人」になるが、炎上の最中は「正しい意見を述べる人」となるので、自己主張を正当化できるのである。

方法4:読者にとって他人事にしない

仮に上記記事のタイトルが「私が外国人男性と恋愛している5つの理由」などであったら、「なんだ惚気話か」と考えて、興味を示さない人も多いのではないだろうか。人は他人のことにあまり興味がないのが基本だ。

しかし、日本人男性に対して否定的な意見を述べられているとなると、その記事は「自分に関係すること」に変わるのである。

「炎上商法」のメリット

上記のような方法を使い、上手くいけば炎上を起こすことができる。では「炎上」を起こすメリットは何か。まとめてみた。

1. ブランドがなくても注目を集められる

有名人や特定の分野の専門家の発言には「話題性」や「価値」があると判断され、何もしなくても注目される。しかし、何のブランドも持っていない一般人が大きな注目を集めることは難しい。そこで悪目立ちする手段が選ばれるのである。

2. 専門知識が要らない

知っている人の少ない、有用な知識やノウハウを示してバズを狙おうと思ったら、それなりに高度な知識を示して読者を唸らせる必要がある。しかし、炎上は人を怒らせればいいのだから比較的簡単である。

3. 読者にも高度な知識を要求しない

知識やノウハウ系の記事は、その分野に関心のある人にしか読まれないが、感情は誰もが持っているものなので、感情に訴えれば簡単に関心を集められる。

4. ブクマを稼ぎやすい

普通の記事をブクマする動機は「あとで読む」「また読み返す」などであろう。しかし炎上記事はブコメさせることでブクマが1つ付くのである。

5. 熱烈なファンを獲得できる可能性がある

提示するオピニオンによっては、普段の生活で自分の意見を言えず鬱屈としている人たちを味方につけることができたりする。彼らは継続読者になってくれたり、自分の商品を買ってくれたりするだろう。

「炎上商法」のデメリット

1. 一過性の注目に過ぎない

一度読者に「炎上を狙っているんだな」と悟られてしまうと、以降は見向きもされなくなってしまう。長期的にブログを運営していこうと思ったら、時が経つにつれてやりにくくなっていくのではないだろうか。

2. メンタルの強さが必要

人に非難される、誹謗中傷を受けることに耐性がなければならない。最悪の場合活動休止に追い込まれかねないので、メンタルの強さに自信がなければやってはいけない。

3. 嫌がらせを受ける可能性

moneyreport.hatenablog.com

敵を作ってしまうと、非難だけではなく実害さえも被る可能性がある。3ブクマされることによるはてブ新着掲載を妨害されたり、下手をすると個人情報を晒されたりするかもしれない。

炎上に過剰反応しない

「炎上商法」がブログ運営の際の有効な手段の一つであることは否めないだろう。しかし、自分の社会的評価を切り売りするリスクの高い方法であるとも言える。個人的に、炎上商法を選ぶことはオススメしない。

今のネットには、炎上に限らず、感情を揺さぶるような広告・情報が溢れている。それらのほとんど全てには、注目を集めようという「意図」がある。だから、それらの情報全てに逐一反応する必要はない。時間も、精神力も、体力も浪費するだけに終わることがほとんどだ。

自分の関心事は何かを明確に定め、他者に振り回されず、使いたいように使う。それが、SNSを含めたネット社会との良い接し方なのではないかと思っている。