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Create Liberty

by inja369

仏教の思考方法を基礎にした「感情をコントロールする方法」

日常生活の中で、自分の感情に煩わされて思うような行動ができないといった経験は無いだろうか。

「イライラしてしまって仕事が手に付かない」「ついカッとなって人に怒ってしまった」「憂鬱な気分が抜けず、何事も楽しめない」…。感情を爆発させてしまったせいで、自分の意思に反した結果になってしまったことは、何度かあるはずだ。感情に振り回されると、効果的な人生を送ることができない。

今回は、効果的な人生を送るために必要な「感情をコントロールする方法」を書いていく。ぜひとも日常生活に活かしていただきたい。

 

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世界を正しく見る/思い込みから脱する

近代以前の世界では、宗教が圧倒的な権威を以て世の中を支配していた。例えば、絶対的で唯一の存在である神が、人間社会のルールを定め、それに則して生きれば天国に行き、反すれば地獄に落ちるという「世界観」で動いていた世界もある。

イスラム教の過激派がテロリズムを行うことによって連日ニュースを賑わしていることからもわかるように、偏った「世界観」は人間を狂気的な行動に駆り立てる。彼らは米国を「世界を支配する悪の帝国」のごとく認識するように教育されているので、米国を憎悪している。ゆえに、自らの命を放棄してでも米国に一矢報いねばならないと考えるのである。同じことはかつての日本の特攻隊員にも言える。「世界観」は人間の行動を決定する要因の一つである。

「世界観」を作るのは決して宗教に限ったことではなく、現代日本社会にもこのような「世界観」を作る装置はたくさんある。例をいくつか挙げよう。

 

学校

学校の使命の一つは、集団行動をとれる人間を育成することである。企業にとって有用な人間になるためには、企業という「集団」に溶け込める人間になる必要がある。そのために学校は「みんな仲良く」といったスローガンを子どもに繰り返し言い聞かせるのだ。批判的思考の育っていない年代のうちから教えられればその価値感は真実であると思いこむようになる。その思い込みは、ときには集団に溶け込めない子どもに対する「いじめ」に発展する。「空気を読む」などという言葉が流布するのもそういった価値感の影響だ。

 

テレビ・新聞・インターネット

その大きな影響力から、立法・行政・司法に続く「第四の権力」とも呼ばれることのあるメディア機関。これらのような情報を発信する場所も、「価値観」を構築する装置の一つである。アメリカの大統領選挙では、各候補者がメディアを活用して自分を宣伝し、敵対する候補者のネガティブキャンペーンを行い、選挙が自分に有利に進むようにする。また、悪名高きナチス・ドイツも、広告や新聞を最大限に利用して党への支持を獲得した。メディアは世論を左右する影響力を持つゆえに、その情報もよく吟味して取りこんでいかなければならない。

 

リクナビ

リクナビとは、株式会社リクルートホールディングスの運営する就職支援サイトのことである。「世界観」を構築する装置には見えないかもしれないが、ここも例外ではない。

リクナビで気になる企業を登録すると、自分と同年代の学生が何社の企業を登録、すなわち就職活動の対象にしているのかが表示される。そこでは「他の学生はあなたよりも多くの企業に登録しています」といったことが示される。中には100社、200社と登録している学生もいるということだ。この情報を見た学生は「負けていられない、自分も頑張らなければ」「自分は頑張っているつもりなのにまだまだなのだな、まずいな」と、発奮したり焦ったりしてさらに多くの企業を登録するようになる。リクナビは「多くの企業を登録すること」を良しとする風潮を作っている。学生はこれを信じて、「多くの企業を登録すること」は良いことなのだという「世界観」「価値観」を作り上げる。

リクナビがこのように学生を煽りたてるのはなぜなのか。これは、リクナビがWEBサイトに情報を載せる権利を与えることで、企業から登録料を貰っているからである。企業は優秀な人材を招き入れるために露出を増やしたいと思っている。学生がリクナビで企業を探せば探すほど、企業は見てもらえるチャンスが増える。チャンスを手に入れたくて、多くの企業がリクナビを使おうとする。すると、リクナビはより多くの掲載料を貰える、というわけである。ビジネスのために「価値観」を作り上げる一例である。

 

自分の持つ「世界観」が、自分の心の動きや行動の選択を制限しているという自覚を持つと、世の中を冷静に俯瞰し、感情に振り回されることも減る。また、世の中に流布する価値観にはなんらかの意図が込められている場合があると知り、「この情報にはどんな意図があるのだろう?」と考えて批判的な思考を鍛えることが、世の中を正しく見ることの第一歩である。

 

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物事のポジティブな面を積極的に探す

あらゆる物事にはポジティブな面とネガティブな面がある。これらのどちらを重視して見ているかによって、我々の心の反応は変わってくるのである。

例えば、待っているバスが5分遅れたとしよう。ネガティブな面を見るならば、退屈な時間が増える、待ち合わせに遅れてしまうなどが思い浮かぶだろう。しかし、一見悪いことのように見えても良い面というのがある。ポジティブに考えるならば、例えばスマホでニュースを見たり情報収集する時間が5分確保されたと捉えることができる。あるいは、日差しの暖かさを感じたり、静かな雨音を聴いて心を落ち付かせたり、道行く人々を観察してみたりと、ささやかな楽しみで暇を潰すこともできる。このように、ポジティブな面を探せばいくらでも出てくるのだ。

ポジティブな面を探すことには、もちろん精神的に負担がかかることを予防できるというメリットもあるが、あらゆる場面で生産的・建設的な行動を選択できるようになるという、物理的なメリットもある。上記で示したバスの待ち時間の場合も、ネガティブな面しか頭に浮かばなければ、もたらされた5分の時間を無駄にしてしまっただろう。このように、ポジティブな面を積極的に探すことは、あなたの人生をより効果的に、有意義にすることに大きく寄与してくれる。

 

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自分が今どんな感情を持ち、その感情がなぜ発生しているのかを理解する

何を見るか、物事のどんな面を見るかによって我々の心の反応が変わってくるというのは、今までに述べたとおりである。それを応用し、自分の中に発生している不快な感情の原因を自分で発見し、心を穏やかな状態に戻すスキルを紹介しよう。

 

自分に気持ちを文字にして書きだす、言葉にして吐き出す

自分の考えや感情を「見える化」することは、心を理解する第一段階である。攻略する対象を明確に捉えるのである。

長時間の仕事の後は「疲れた~」と声に出してから一息ついてみよう。嫌なことがあったときは「落ち込むなあ」と声に出してみよう。人の身勝手な行動にイライラしているときは、その人に向かって言ってしまいたい言葉を紙に書き殴ってみよう。心の赴くままに形にしてみるのだ。

自分の心を偽って、自分の感情を認めないことは、非常にストレスになる。例え「あいつをぶん殴りたい」といった表に出しにくい感情でも、否定してはいけない。心のうちに留める代わりに、心の中では思い切り自由になって良い

「感情を肯定し」「見える化する」。感情という捉えにくい物を形にして客観視することを習慣化すると、感情から一歩引き、囚われることがなくなるのである。

 

原因を探る/軌道修正する

人間の無駄な感情の原因には大きく分けて3つある。それは「貪欲」「怒り」「妄想」である。それぞれ説明しよう。

 

「貪欲」

必要以上の欲求である。他者に期待し過ぎたり、現実離れした理想を持っていると、感情は暴走しがちである。自分や他者の能力の限界を理解することで解消できる。

 

「怒り」

不満や不快、自己否定からくる反応である。自己嫌悪やコンプレックスによって、心がざわついている状態である。他者の価値観や世の中の常識がどう言おうと、自分は自分であると考えることで解消できる。

 

「妄想」

物事を間違って認識している状態である。例えば、先述した「世界観」のような極端な物事の見方や、自分は人に嫌われているのではないかと無根拠に考えてしまう被害妄想などである。わからないことはわからないのだと理解することで解消できる。

 

これらの無駄な感情の原因を発見することによって、考え方を変え、感情を軌道修正することができる。

 

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おわりに

これらの習慣を繰り返すことで、どんな思考がどんな感情を呼び起こすのか学習し、自分の感情を自分でコントロールできるようになる。最終的には、あらゆる場面で落ち付いた心を保っていられるようになる。

そこから見えてくるのは、感情のもやが取り払われた、透き通った世界である。素早く正しい判断を、自信を持って行うことができるようになる。

不快な感情から自由になることの一助となれば幸いである。